今でもあの時の辛さが忘れられず、ブログに記録しておくことにしました。
壮絶な出産を経て、生まれたての我が子をカンガルーケアしながら感じたあの気持ち。
私は呑気に、「たくさん母乳が出ればいいな」……そう思っていました。
しかし、扁平乳頭の私は、直母できるまでに4か月かかりました……!!!
生後3か月の終わりで、ようやく直母に移行することができました。
その4カ月間、何度も何度も泣いて、諦めようと思って。
今考えると、なぜあんなに辛くて痛い思いをしながら直母に固執していたのか分かりません。
同じように悩むママに、この体験が役立ちますように。
諦めてもいいんです。
母乳じゃなくても、直母じゃなくても。
子どもが元気に育ってくれればそれで。
扁平乳頭に悩む私の、4か月の試行錯誤の体験談をご紹介します。
もくじ
扁平乳頭でも直母・完母を目指した理由
私は、マタニティ日記と育児日記をつけていたので、当時の赤裸々に綴られた思いを見返してみました。
まずは、私の授乳に関する思いをまとめてみました。
扁平乳頭という言葉を知らなかった
私は、恥ずかしながら「扁平乳頭」という言葉を知りませんでした。
妊娠中期あたりで参加した「母親教室」で、母乳育児をするためにはケアが必要という話を聞きました。
実際に、助産師さんから乳頭チェックをしてもらったとき「少し乳頭が短いかな?」と言われました。
しっかりマッサージするように言われ、おすすめされた「乳頭吸引器」を購入し、毎晩マッサージに奮闘。
授乳の想像がつかなかったので、特に悩むこともなく前向きな気分でした。
母乳神話はどうでもいい
母乳神話に関しては、心底どうでもいいと思っていました。
私の大きなお腹を見て、アパートの大家さんが声をかけてきました。
「赤ちゃん楽しみね。しっかり母乳で育ててあげないとダメよ」
「母乳で育ててあげないとね、健康に育たないからね」
※嫌な気持ちになりましたよね、すみません。私もキレました。
私は保育士をしていましたが「この子はきっと母乳ね!この子は…ミルクの子ね」なんて考えたことはありません。
お隣に住んでいるあの人が、テレビに出ているあの人が、母乳育ちかミルク育ちかなんて分かります?
……そもそも他人のそんな大昔に興味あります?
完母でミルク代を節約したかった
母乳神話に興味のない私が、母乳育児を希望したのは節約のためでした。
保育士なので赤ちゃんが飲むミルクの量に関して、初めてママになる人よりは知識がありました。
「1缶で、これだけの値段がするのに、こんなにあっという間になくなるの!?」
「眠気や機嫌のタイミングを逃して飲まなかったら、温め直しも何度もできないし、もったいない……!」
加えてオムツ代も……という気持ちから、母乳で育てることに固執してしまったのかもしれません。
面倒な準備をせず、サッと授乳したかった
単純にズボラだったので、哺乳瓶の消毒やお湯の準備が面倒だと思っていました。
夜中に泣いてキッチンに向かう自信もない……。
ミルクだと出かける時の荷物も多くなるし、母乳の方が楽だというイメージを持っていました。
扁平乳頭の私、産後入院中の授乳状況
私の産婦人科では、母乳育児を推進していました。
出産翌日から母乳指導が始まり、我が子の授乳前と授乳後の体重を測り、増えた量を記録。
母子別室だとしても、夜中には3時間置きにナースコールで呼び出しがあり授乳。
母子に合った授乳姿勢も、丁寧に指導してくれました。
ここで私は、母親教室で言われた「少し乳頭が短い」という曖昧な表現から一転「完全な扁平乳頭」ということを知ります。
母乳の出具合
産後2日目まで母乳は全く出ませんでしたが、産後3日目の朝方に乳房が痛くて飛び起きました。
急にたくさん母乳が生産されて、岩のようにパンパンに腫れ上がっていました。
「よかった……母乳たくさん出るタイプか……」と、安心したのを覚えています。
しかし、乳房がパンパンになったことで短い乳頭が引っ張られ、跡形もなく「平ら」になりました。
子どもの意欲
我が子は予定日よりも10日近く早く生まれたので、小柄でした。
授乳は赤ちゃんの性格やママとの相性があると言われていましたが、どうやら我が子は短気で小食。
私の乳頭をつまんでくわえさそうにも「ママ?どこから飲めばいいのよ?」という状態。
助産師さんも「かなり扁平乳頭だからね……マッサージもっと頑張って乳頭を伸ばさないと難しいかも」と難色を示しました。
こぼれるくらいの母乳量があるので、いい匂いはするのでしょうか。
フガフガと顔を振って乳頭を探すものの、すぐに怒って諦めて寝てしまうことが多かったです。
私のメンタル
人生初めての出産で体は全身筋肉痛、会陰切開の痕が痛くてまともに座れない。
上手く授乳できないから、溜まった母乳で胸が痛い。
母子同室で授乳を試みるも、上手く吸えないのでお腹が空いて夜通しギャン泣きの我が子。
ミルクを足してもらって、搾乳すると乳頭が切れて血が混じる。
入院中のメンタルは、細い糸一本で繋がれている状態でした。
入院中に試してみたこと
「せっかく母乳は作られているのだから」と、助産師さんにアドバイスをもらいながらできることを頑張りました。
・授乳前に圧抜きやマッサージ
・授乳前に乳頭吸引器で乳頭を引き出しておく
・正しい姿勢でのラッチオン
・我が子が加えやすいように横抱きやフットボール抱きにもチャレンジ
・ランシノーで乳頭ケア
・授乳時以外は乳頭保護器やプチパッドを使用
とりあえず無我夢中でした。
その他、なくてもいいかな?と思っていた搾乳機や授乳クッションも慌てて注文しました。
扁平乳頭の私が退院後に努力した過程
全く直母ができずに退院の日を迎えました。
入院中は直母にチャレンジしても、乳頭に舌を絡ませることができず、搾乳して哺乳瓶であげていました。
このままでは「乳頭混乱」になってしまうと思ってかなり焦っていました。
そこで助産師さんに勧められたのが「哺乳瓶の乳首を直接、乳頭にあててそのまま授乳する」というスタイルでした。
なんとも滑稽な……哺乳瓶の乳首を借りながら直母って。
吸われることにより、いい感じに圧がかかるので母乳もしっかり作られます。
お腹が空いている我が子の前で慌てて搾乳したり、搾乳器や哺乳瓶の準備もいらない。
なんだか原始的なようで、画期的な方法でした。
授乳前には必ずマッサージをして直母
とはいっても、哺乳瓶の乳首を使うのは直母の練習をしてからにしました。
お腹が空いてるのに、平らな乳頭を目の前に差し出される我が子は、もちろん号泣。
首をブンブン振って、真っ赤な顔をして。
一緒に泣きました。扁平乳頭なめてた。お願いだからここから飲んでよ……。
我が子からしたら「どこから吸うの?早くいつもの長い乳首だしてよ」って感じですよね。
夜中でも朝方でも、お腹が空いたと泣き始めたら、まずは乳頭の圧抜きやマッサージをして直母。
私も一緒に泣きながら。
母乳の生産を止めない
せっかく母乳が出ているのに、今諦めてミルクにしたら勿体ない!
その一心で、直母ができなくても哺乳瓶の乳首を借りながらなんとか続けました。
いつか必ず直母できる、その日まで。
我が子が順調に成長していけば、今より舌の使い方が上手くなり吸引力が上がるはず。
こんな平らな乳頭でも、上手く吸える日がくるはず。
もう何回泣いたか分かりません。
育児ノートには悔しい気持ちと、意地でも辞めない決意が綴られていました。
乳頭の痛みを少しでも和らげる
我が子は授乳のたびに「これじゃねええええええ」と大泣き。
そのうち機嫌がいいときは、直母練習にも前向きに付き合ってくれるようになりました。
上手にくわえられる瞬間も何度かでてきて、吸っては舌が滑り、舌が滑ってはくわえ直しての繰り返し……。
するとあちこち乳頭の付け根や先端がパックリ割れて流血!
痛さのあまり叫びながら授乳したり、授乳時間が怖くなったりしました。
ランシノーを塗ってラップは必須。もう何本使ったか分かりません。
母乳の生産量のためにも1回で左右両方の乳房で授乳していましたが、少しでも乳頭を休ませるため、片方づつの授乳に変更しました。
扁平乳頭でも生後3か月で直母成功
長かった戦いも、あっさり終わりました。
いつものように先に直母練習……と思い乳頭をくわえさせたら上手くキャッチ。
舌が滑ることなく、ごくごくと幸せそうな顔で飲み始めました。
「これが授乳かあ……」体中から幸せを感じました。
この4か月で、私の乳頭が伸びたのは、2ミリくらいでしょうか。
結局は我が子が成長して、平らすぎる乳頭でも飲むコツを掴んでくれたようです。
まとめ
授乳が上手くいかず悩み泣きわめく私に、夫は何度も「もうミルクに変えよう」と声をかけてくれました。
今、あの時に戻れるなら出産直後から「乳頭短いんでミルクにします!!」と言うかもしれません……。
それくらい辛かったです。
産後ってそれぞれ色んな辛さがあると思いますが、私の辛さは平らすぎる乳頭に全部持っていかれました。
その後、1歳すぎまで授乳を続けると、扁平乳頭に変わりはありませんでしたが伸びが良くなりました。
そして2人目を出産。
同じように乳頭が切れたり、乳房がパンパンになる痛みはありましたが、伸びが良くなった乳頭のおかげで生後1か月から直母に移行することがきました。
(1カ月間は、また哺乳瓶の乳首にお世話になりました……笑)
諦めてもいい。
泣きながら頑張ってもいい。
もしかしたら、目の前の天使が、扁平乳頭の攻略方法を編み出すかもしれませんよ。
気負わず、力まず。